親知らずが痛い・腫れた時の対処法|歯科口腔外科医が教える受診の目安
こんにちは。武蔵小金井駅徒歩2分の「クオーレ歯科クリニック」院長の山田です。
「奥歯がズキズキと痛む」「頬が腫れて口が開けづらい」 このような症状に見舞われたとき、真っ先に疑われるのが「親知らず」のトラブルです。親知らずの痛みは突然やってくることが多く、お仕事や家事が手につかないほど辛い思いをされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「抜かなきゃいけないのかな?」「抜歯は痛そうで怖い」と不安に感じ、痛みを我慢してしまう患者さんも少なくありません。しかし、親知らずのトラブルは放置することで、手前の健康な歯を巻き込んでしまったり、感染が広がってしまったりするリスクがあります。
この記事では、日々多くの親知らず治療を行っている歯科医師の視点から、痛みが強い時の応急処置、歯科医院を受診するべきタイミング、そして多くの方が気にされる「抜歯の判断基準」について、できるだけ分かりやすく解説していきます。今、痛みと戦っている方の不安を少しでも和らげる手助けになれば幸いです。
目次
- 痛くて辛い時に…自宅でできる3つの応急処置
- 悪化させないために!痛い時に「やってはいけないこと」
- 我慢は禁物!すぐに歯科医院を受診すべき危険なサイン
- なぜ親知らずは痛くなるの?繰り返す炎症の原因
- 「抜くべきか・残せるか」歯科医師が考える判断基準
- 安心して治療を受けていただくための当院の取り組み
- まとめ ─ 痛みや不安を一人で抱え込まずにご相談ください
1.痛くて辛い時に…自宅でできる3つの応急処置
「今すぐ歯医者に行きたいけれど、夜中で開いていない」「仕事が忙しくて週末まで行けない」 そのような状況で痛みが強くなった場合、ご自宅でできる応急処置をご紹介します。あくまで一時的な対処ですが、辛さを和らげる効果が期待できます。
(1)市販の鎮痛剤(痛み止め)を服用する
痛みが強くて我慢できないときは、無理をせずに市販の鎮痛剤を服用してください。ロキソニンSやイブなど、ドラッグストアで購入できるもので構いません。 【院長からのアドバイス】 「痛くなってから」飲むのではなく、「痛みが出そうだな」というタイミングで飲むのがコツです。痛みがピークに達してからでは薬が効きにくいことがあります。また、歯科医院を受診する際も、薬を飲んでいる状態でも問題ありませんので、痛みをコントロールすることを優先してください。
(2)患部を外側から冷やす
炎症が起きて熱を持っている場合、冷やすことで痛みが和らぐことがあります。冷却シートを貼ったり、濡れタオルで頬の外側から冷やしたりするのが有効です。 ただし、氷や保冷剤を直接肌に当て続けると、冷やしすぎによって血行が悪くなりすぎ、かえって治癒を遅らせたり、しこりが残ったりする原因になります。「気持ちいい」と感じる程度に冷やすのがポイントです。
(3)お口の中を清潔に保つ
痛みの原因の多くは細菌感染です。うがい薬やマウスウォッシュを使って、お口の中の細菌を減らすようにしましょう。 【注意点】 歯ブラシでゴシゴシと患部を磨くのは避けてください。腫れている歯ぐきを傷つけ、痛みを悪化させる恐れがあります。患部周辺は柔らかい歯ブラシで優しく汚れを取り除く程度にし、うがいを中心にして清潔を保ちましょう。
2.悪化させないために!痛い時に「やってはいけないこと」
痛みを早く治したい一心で行ったことが、逆効果になってしまうケースがあります。特に以下の行動は、炎症を広げてしまう可能性があるため控えてください。
- ・患部を指や舌で触る 気になって触りたくなる気持ちは分かりますが、指についた細菌が入り込んだり、刺激を与えたりすることで炎症が悪化します。
- ・アルコール(飲酒) お酒を飲むと一時的に痛みが紛れる気がするかもしれませんが、血行が良くなることで炎症反応が強まり、酔いが覚めた後に激痛に襲われることがあります。
- ・激しい運動や長時間の入浴 これらも血行を促進させる行為です。血の巡りが良くなると、ズキズキとした痛み(拍動痛)が増してしまいます。痛みがある時は、湯船に長く浸からずシャワーで済ませ、安静に過ごすことが大切です。
3.我慢は禁物!すぐに歯科医院を受診すべき危険なサイン
親知らずの症状の中には、様子を見てはいけない「危険なサイン」があります。以下の症状がある場合は、感染が周囲の組織にまで広がっている可能性があります。できるだけ早急に歯科医院、特に口腔外科に対応している医院を受診してください。
- 口が開かない(開口障害): 指が1本〜2本分しか入らないほど口が開かない場合、炎症が顎の筋肉にまで及んでいます。
- 飲み込むと痛い(嚥下痛): 唾液や食事を飲み込む際に喉に強い痛みがある場合、炎症が喉の奥まで広がっている可能性があります。
- 37.5度以上の発熱がある: 親知らずの炎症が原因で全身に発熱などの症状が出ている場合、重症化するリスクがあります。
- 顔が明らかに腫れている: 頬や顎の下まで見てわかるほど腫れている場合、膿が溜まっている可能性があります。
これらの症状は、放置すると入院や点滴治療が必要になる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」などの重篤な状態に進展する恐れがあります。「たかが親知らず」と侮らず、早めの受診をお願いします。
4.なぜ親知らずは痛くなるの?繰り返す炎症の原因
そもそも、なぜ親知らずはこれほどまでに痛むのでしょうか。 親知らず自体がむし歯になっているケースもありますが、最も多い原因は「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる、親知らず周りの歯ぐきの炎症です。
親知らずは、一番奥に生えてくるため、スペースが足りずに斜めに生えたり、一部だけ頭を出して埋まっていたりすることが多くあります。 すると、手前の歯との間や、被っている歯ぐきとの間に深いポケット(隙間)ができ、ここに食べカスやプラーク(歯垢)が溜まります。
この場所は歯ブラシが届きにくく、汚れが停滞しやすいため、細菌が繁殖して炎症を起こします。これが、腫れや痛みの正体です。 体調が良い時は免疫力で抑え込めていても、疲労やストレスで免疫力が下がったタイミングで、急に細菌の勢いが増して発症することが多いのが特徴です。
5.「抜くべきか・残せるか」歯科医師が考える判断基準
「親知らずは必ず抜かなければいけないのですか?」という質問をよくいただきます。 結論から申し上げますと、「必ずしもすべて抜く必要はありません」。
私たち歯科医師は、以下のような基準で、抜歯するべきか、残しても問題ないかを判断しています。
【抜歯をおすすめするケース】
- 何度も腫れや痛みを繰り返している
- 親知らずが手前の歯を押して、歯並びに悪影響を与えている
- 親知らず自体が大きなむし歯になっている
- 手前の健康な歯(第二大臼歯)との間に深いむし歯を作っている
- 横向きや斜めに生えていて、清掃が困難である
特に重要なのが「手前の健康な歯を守れるか」という点です。親知らずがあることで、手前の大切な奥歯がむし歯や歯周病でダメになってしまうリスクがある場合は、予防的な意味も含めて抜歯をご提案することが多いです。
【残しても問題ないケース】
- 真っ直ぐきれいに生えていて、上下の親知らずがしっかり噛み合っている
- 歯磨きが十分にできていて、むし歯や歯周病になっていない
- 骨の中に完全に埋まっていて、今後も悪さをする可能性が低い
このように、お口の状態は患者さん一人ひとり異なります。当院では、レントゲンやCT撮影を行い、神経や血管の位置、根の形を立体的に把握した上で、最適な治療方針をご提案しています。
6.安心して治療を受けていただくための当院の取り組み
親知らずの抜歯は、外科処置を伴うため、恐怖心をお持ちの方も多いと思います。クオーレ歯科クリニックでは、患者さんの不安と痛みを最小限にするために、以下の取り組みを行っています。
- ●歯科用CTによる精密診断 親知らずの根っこは複雑な形をしていることが多く、近くには太い神経や血管が通っています。当院では、二次元のレントゲンだけでなく、三次元で骨や神経の状態を確認できる「歯科用CT」を導入しています。事前のシミュレーションを綿密に行うことで、より安全でスピーディーな処置が可能になります。
- ●痛みに配慮した麻酔 治療中の痛みを感じさせないための麻酔ですが、その麻酔注射自体が痛くては意味がありません。当院では、表面麻酔の使用、極細の注射針、一定の速度で麻酔液を注入できる電動麻酔器などを駆使し、痛みを極限まで抑える工夫をしています。
- ●徹底した衛生管理 外科処置において、感染対策は最も重要です。当院では、治療器具の滅菌はもちろんのこと、医療用空気浄化装置「メディカルライトエアー」を導入し、ウイルスや細菌を除去したクリーンな環境で治療を行っています。
7.まとめ ─ 痛みや不安を一人で抱え込まずにご相談ください
親知らずの痛みは、我慢すればするほど、治療が難しくなったり、回復に時間がかかったりすることがあります。「痛いから」といってすぐに抜くわけではありません。まずは炎症を抑える処置を行い、痛みが引いてから、抜くべきかどうかをじっくり相談して決めていきます。
「今はまだそこまで痛くないけれど、将来が心配」「抜歯が怖くてなかなか踏み出せない」という方も、まずは現在の状態を知ることから始めてみませんか?
武蔵小金井で親知らずの痛みや抜歯についてのご相談なら、クオーレ歯科クリニックへお任せください。 皆様が一日も早く痛みから解放され、安心して生活できるよう、歯科口腔外科の知識と経験を活かしてサポートさせていただきます。
監修者情報

医療法人社団 CUORE クオーレ歯科クリニック 理事長
山田 拓
神奈川歯科大学を卒業後、千葉県、都内、神奈川県で経験を積み武蔵小金井で開業。
日本歯周病学会、国際インプラント学会、国際口腔インプラント学会に所属し、予防歯科をはじめ一般歯科、審美歯科(セラミック/ホワイトニング)、インプラントを得意としている。患者様がご自分の歯で快適に過ごせるよう、「できるだけ抜かない・削らない治療」を実践し、患者様のクオリティオブライフの向上に貢献。
経歴
- 2008年神奈川歯科大学卒業
千葉県、都内、神奈川県、開業医勤務の中で分院長を勤める - 2017年クオーレ歯科クリニック 開院



















