歯医者で行うプロのクリーニング「PMTC」とは?セルフケアとの決定的な違い
こんにちは。「クオーレ歯科クリニック」院長の山田 拓です。
日々の診療の中で、患者さんから「毎日、朝昼晩と一生懸命に歯磨きをしているのに、また虫歯ができてしまいました」という切実なお悩みを伺うことがよくあります。
ご自宅でのセルフケアを頑張っていらっしゃるからこそ、虫歯が見つかったときのショックは大きいですよね。
実は、どんなに丁寧に歯磨きをしていても、ご自宅のケアだけではどうしても落としきれない汚れが存在します。それが、虫歯や歯周病の根本的な原因となる「バイオフィルム」です。
この頑固な汚れを徹底的に除去し、お口のトラブルを未然に防ぐために欠かせないのが、歯科医院で行う「PMTC」というプロのクリーニングです。
今回は、予防歯科の観点から、セルフケアとPMTCの決定的な違いや、PMTCによって得られる素晴らしい効果について、分かりやすく解説していきます。この記事が、皆様の大切な歯を一生涯守るためのヒントになれば幸いです。
目次
1. 毎日歯磨きをしていても汚れが残る理由
「磨いている」と「磨けている」は違う、という言葉を耳にしたことはありませんか?
歯並びの重なっている部分や、歯と歯ぐきの境目などは、どれだけ気を付けていても歯ブラシの毛先が届きにくいものです。しかし、虫歯のリスクを高める本当の理由は「磨き残し」だけではありません。
歯ブラシだけでは落とせない「バイオフィルム」の正体
お口の中に残った歯垢(プラーク)は、時間が経つと細菌同士が結びついて「バイオフィルム」という強力な膜を作り出します。
これは、お風呂場やキッチンの排水溝に見られる「ヌルヌルとした汚れ」をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。排水溝のヌメリは、水でサッと流しただけでは落ちず、スポンジや専用の洗剤でこすり落とす必要がありますよね。
歯の表面にできたバイオフィルムも全く同じで、うがい薬や通常の歯ブラシの摩擦だけでは完全に剥がし落とすことができないほど、歯に強力にこびりついているのです。
セルフケアの限界を知ることが予防の第一歩
バイオフィルムの中には、虫歯菌や歯周病菌がうじゃうじゃと潜んでいます。この細菌のバリアが存在する限り、いくら殺菌作用のある歯磨き粉を使っても、薬効成分が内部まで届きません。
つまり、ご自宅でのセルフケアには「どうしても取り除けない汚れ(細菌の住処)がある」という限界を知ることが、予防歯科の非常に重要なスタートラインとなります。
2. プロのクリーニング「PMTC」とは?
そこで登場するのが、歯科医院で行う「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」です。直訳すると「プロフェッショナル(専門家)による、専用機器(メカニカル)を用いた、歯のクリーニング」となります。
PMTCの目的と得られる3つの効果
PMTCの最大の目的は、ご自宅では落とせないバイオフィルムを徹底的に破壊し、除去することです。これにより、主に以下の3つの効果が得られます。
- ① 虫歯・歯周病の強力な予防
細菌の住処であるバイオフィルムを破壊することで、虫歯菌や歯周病菌の数を激減させます。定期的に行うことで、お口の中の環境がリセットされ、トラブルの起きにくい状態を維持できます。 - ② 着色汚れ(ステイン)の除去で本来の白さへ
お茶、コーヒー、赤ワイン、タバコのヤニなどによる着色汚れも、専用の機器とペーストで丁寧に落とします。歯を削ったり漂白したりするわけではありませんが、歯本来の自然な白さとツヤを取り戻すことができます。 - ③ 歯質の強化
クリーニングの最後には、フッ素などのミネラル成分をたっぷりと塗布します。汚れがないきれいな歯面にはフッ素が効率よく取り込まれるため、歯の再石灰化(修復)が促進され、虫歯に強い丈夫な歯になります。
「痛くないの?」患者さんがよく感じる不安への回答
「歯医者で機械を使ってこすられるなんて、痛そう…」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。PMTCは、歯を削る治療とは全く異なります。柔らかなゴム製のカップや専用のブラシを使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。
むしろ、「歯ぐきが適度にマッサージされて気持ちいい」「終わったあとの歯のツルツル感がやみつきになる」と、エステや美容院に通うような感覚でリラックスして受けてくださる患者さんがとても多いのが特徴です。
3. 当院で行うPMTCの具体的なステップ
では、実際にどのような手順でクリーニングを行っていくのか、当院での基本的なステップをご紹介します。
Step1. お口の状態チェックと染め出し
まずは、現在のお口の状態を確認します。必要に応じて「染め出し液」を使用し、どこに汚れ(プラーク)が残っているかを患者さんご自身にも目で見て確認していただきます。これにより、ご自宅でのセルフケアの改善点も見えてきます。
Step2. スケーリング(歯石取り)
プラークが石のように硬くなってしまった「歯石」は、PMTCの柔らかい機械では落とせません。まずは超音波スケーラーなどの専用器具を使い、歯石を丁寧に弾き飛ばして除去します。
Step3. 専用機器による研磨(ここからがPMTCです)
歯石を取り除いた後、歯の表面や歯と歯の間、歯ぐきの境目にこびりついたバイオフィルムと着色汚れを落としていきます。患者さんの歯の状態に合わせた数種類のペーストと、専用のラバーカップやブラシを使い分け、歯を傷つけないように優しく、かつ徹底的に磨き上げます。
Step4. フッ素塗布
汚れを完全に落とし、歯の表面がツルツルになった状態のところに、高濃度のフッ素を塗布します。バイオフィルムがない状態なので、フッ素が歯の奥までしっかりと浸透し、歯を強くしてくれます。
院長としての「気持ちのよい予防ケア」へのこだわり
私は、歯科医院を「痛い思いをして治療に行く場所」から、「気持ちよくお口を綺麗にしてもらいに行く場所」へと変えていきたいと強く願っています。
そのため、当院の歯科衛生士は、ただ汚れを落とすだけでなく、患者さんに「心地よい」と感じていただけるような丁寧なタッチと施術を心がけています。
4. まとめ ─ 生涯自分の歯で食べるためにプロのケアを
ご自宅での「毎日の正しいセルフケア」と、歯科医院での「定期的なプロのケア(PMTC)」。この2つは、車でいう両輪のようなものです。どちらか一つが欠けても、お口の健康を長く保つことは難しくなってしまいます。
「一生懸命磨いているのに虫歯ができる」という方は、決してご自身の努力が足りないわけではありません。落としきれない汚れは、どうぞ私たちプロにお任せください。
定期的にPMTCを受けていただくことで、お口の中は驚くほどスッキリとし、虫歯や歯周病のリスクは劇的に下がります。
武蔵小金井で、痛みのない気持ちの良い予防クリーニング(PMTC)をご希望の方は、ぜひ「クオーレ歯科クリニック」へご相談ください。
生涯ご自身の歯で美味しく食事ができるよう、私たちがしっかりとサポートさせていただきます。
監修者情報

医療法人社団 CUORE クオーレ歯科クリニック 理事長
山田 拓
神奈川歯科大学を卒業後、千葉県、都内、神奈川県で経験を積み武蔵小金井で開業。
日本歯周病学会、国際インプラント学会、国際口腔インプラント学会に所属し、予防歯科をはじめ一般歯科、審美歯科(セラミック/ホワイトニング)、インプラントを得意としている。患者様がご自分の歯で快適に過ごせるよう、「できるだけ抜かない・削らない治療」を実践し、患者様のクオリティオブライフの向上に貢献。
経歴
- 2008年神奈川歯科大学卒業
千葉県、都内、神奈川県、開業医勤務の中で分院長を勤める - 2017年クオーレ歯科クリニック 開院



















